2017年10月13日

夏から始める「素肌美人」~石けんの洗浄力について~

こんにちは。
スタッフの西です。

 

今日はタイトルに反して、すっかり寒くなってきましたが、

 

今回のブログは、「石けんの洗浄力」についてお伝えします。
洗顔後のつっぱり感や乾燥など、洗浄力が強すぎるのでは?と感じることがありますね。

 

よく、「洗浄力の弱い石けん」がいいとか言われたりしますが、実際にはどのように確認していけばいいのか考えてみましょう。

 

まず、洗浄力といえば「界面活性剤」ですが、界面活性剤=悪いものと思っていませんか?

 

実は、この認識は間違いです。

 

全ての「界面活性剤」が悪い影響を及ぼすわけではなく、「界面活性剤」がなければ顔も体も洗うことができないのです。

 

「無添加せっけんには界面活性剤は入っていない」と思っている方も多いですが、無添加せっけんも「界面活性剤」を使っているのです。

 

 

◆「界面活性剤」とは?

 

そもそも、界面活性剤は、水と油という本来溶け合わないものの間を取り持ち、溶けたような状態を作り出すものです。その作用により、油分を含んだ汚れを落としたり、乳液やクリームなどでは水と油を混ぜ合わせたりしているのです。

 

ただし、界面活性剤は非常に多く何千種類も存在すると言われ、その一部が肌に悪影響を及ぼすのはたしかです。

 

特に洗顔石鹸の場合、界面活性剤の影響で本来肌に必要な皮脂まで根こそぎ取り除かれてしまい、肌を守っているバリア機能が破壊されてしまうことも…。

 
さらに一部の界面活性剤にはタンパク質を変性させる作用があるため、乾燥を招いたりシミや皮膚障害を起こしたりする恐れも報告されています。

 

 

◆「界面活性剤」の種類って?

 

界面活性剤には人工的に合体させてつくられる合成界面活性剤と、牛脂などの動物成分やヤシ油などの植物成分といった天然由来の自然素材で作られる天然界面活性剤があり、洗顔石鹸も天然の界面活性剤を使用した洗顔料に含まれます。

天然界面活性剤のほうが肌に安心なのは一目瞭然ですよね。

 

 
◆肌のツッパリの原因は洗浄力?

 

冒頭にも述べましたが、「洗顔後のツッパリ」は洗浄力が原因かといわれると、すべての原因が洗浄力にあるとは言い切れません。

 

もともと、人間の肌は弱酸性なので、肌が石けんによって弱アルカリに傾くことでツッパリを感じるということも考えられるのです。

 

ただし、健康な肌の場合、30分程度で自ら弱酸性に戻るといわれていて、これを「アルカリ中和能」といいます。

 

肌に何らかのトラブルを抱えている人は、アルカリ中和能」にもう少し時間がかかることもありますが、いつまでもツッパリ感が残る場合は、本当に洗浄力が強すぎるのかもしれません。

 

 
◆洗浄力が強すぎると起こる肌トラブル

 

一番多いのは、大人ニキビ」ではないでしょうか。

 

ニキビになる原因は皮脂がきちんと毛穴から排出されない“毛穴詰まり”で、皮脂が過剰分泌される要因ホルモンバランスの乱れやアンバランスな食生活など様々です。

この余分な皮脂を落とすため、あるいは皮脂を溜め込まないようにするための方法として、美容系情報サイトを見てみると「ニキビの方はしっかりと汚れを落とす洗浄力の高いものを。」という意見と、「強い洗浄力が皮脂をごっそり落として肌が乾燥してニキビの原因になる。」と、相反する意見が見てとれます。

一体どうすればニキビ予防法として良いのか悩ましいところですが、肌トラブルのポイントは

 

 

1.皮脂の取りすぎは、皮脂の過剰分泌を促す

 

2.皮脂の取りすぎは、表皮の潤い(水分)を奪う

 

です。

 

上記2つはどちらも肌の乾燥につながるものであり、洗浄力の強い洗顔料で洗顔し過ぎると肌の水分・油分のバランスが保てなくなってニキビの発生率が高くなると考えます。

もちろん、毛穴詰まりを防ぐために日頃から肌を清潔に保っておくこともニキビ対策のひとつと言えるでしょう。

しっかり汚れは落とすのに潤いは落とし過ぎない…この微妙なさじ加減が難しいと感じるかもしれませんが、自分の肌状態に合わせて洗顔石鹸を選んでいくことがニキビをはじめ肌トラブルを防ぐカギになることは間違いありません。

 

 
◆泡立ちの悪い石けんは洗浄力が弱い?

 

 

泡立ちと洗浄力には直接関係が無いという意見もありますが、界面活性剤の働きの一つに“起泡”という作用があり、これは液体と気体の間の界面で起きる現象です。

 

 

もともと泡には汚れを吸着する働きがあり、しかも石鹸を泡立てることによって肌に触れる面積(=汚れを落とす面積)は広がるのです。

 

 
さらに洗顔石鹸の場合、濃密な泡を使って洗顔するほうが直接手で肌を擦り上げる負担も軽減されるため一石二鳥。

 

 
泡立ち具合が洗浄力の目安になること、そして肌への優しさを考えても、しっかり泡立ちする洗顔石鹸のほうが良いのです。

 

 

 
◆肌質で選ぶ洗浄力

 

【ラウリン酸】

 

ラウリン酸は脂肪酸の1種で、ココナッツオイルやアーモンドオイルなどに多く含まれているもの。

メリット:何といっても起泡性が大きいため濃密な弾力泡がつくれる

そのため、洗浄力が高い石鹸となり、水でもさっと溶けやすいためゴシゴシ肌を擦らずに洗顔できるでしょう。

デメリット:多少皮膚刺激を感じる場合があり、洗浄力の高さゆえに肌が乾燥しやすくなること。

ただ、健やかな肌の状態であれば先にご紹介した「アルカリ中和能」ですぐに乾燥がおさまるはずで、石鹸成分としては安定性がある成分と言えます。

 

 

【ステアリン酸】

 

パーム油や牛脂に多く含まれる脂肪酸。

 

 

メリット:皮脂を構成するスクワレンを洗い落とすのが得意なこと。コレステロールを洗い流し過ぎないことも挙げられます。

(コレステロールは細胞間脂質の主成分であり、細胞間脂質が正常に整っていれば肌に必要な水分が逃げないように保たれるため、

過剰に洗い流さないステアリン酸なら肌の保湿を損なわない洗顔ができるでしょう。)

デメリット:泡立ちにくく、ラウリン酸に比べて洗浄力が低くなる可能性がありますが、専用の泡立てネットを使用するなど洗顔の際に工夫で対応できます。

過剰な皮脂分泌をきれいに洗い流し、肌の水分バランスを整えてくれるので脂性肌やニキビ肌におすすめの洗浄剤と言えるでしょう。
(ステアリン酸の代わりに、同じ性質のパルミチン酸を選ぶのも良いでしょう。)

 
【オレイン酸】

 

オリーブオイルや米ぬか、深海鮫に多く含まれているのがオレイン酸です。

特徴としては皮脂の成分であるスクワレンを落とし過ぎないため、肌に本来必要な皮脂を大切にできる。

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ただし、コレステロールを落としやすい成分のため、洗顔の回数を重ねると肌の水分が保てなくなる場合があるので注意が必要です。

基本的には乾燥肌におすすめですが、洗顔後に物足りないからと言って何度も洗うと皮脂の過剰分泌からますます乾燥を招くことになるので、オレイン酸の特徴をよく理解して使用しましょう。

 
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私が自分で作る手作り石けんは、こういった成分を念頭に作られています。

 

使う人の肌質や体調によって、「洗浄力」や「アルカリ中和能」が与える影響が違うので一概にこれがいいとは言い切れません。

 

ですが、市販の石けんを購入する際もこういったことを知っていて尚且つ、自分の肌に合うか考えて使うということが美肌のための第一歩と考えます。

 

毎日使うものだからこそ、「高いもの=品質がいい」ではなく「自分の肌に合う=いいもの」として賢く選びたいですね。

 

 

次回は、「合成界面活性剤って?」をお伝えします。

 

 

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