2017年03月05日

*妊活の為の食事療法 ~栄養学的食事療法・魚介類③~

おはようございます。院長の井上です。

 

前回は、魚介類のDHA、EPAなどの必須脂肪酸についてでしたが、今回は、魚介類に多く含まれるビタミンDについてです。

 

初めに卵巣年齢についてお伝えします。卵巣年齢はAMH値を検査することでわかります

卵巣年齢とは、卵巣の中に赤ちゃんとして成長することのできる卵子が後どのくらい残っているかによって判断されます。AMH値とは、AMH(アンチミューラリアンホルモン)を測ることでわかり、その数値を各年齢に当てはめ、現時点での卵巣年齢がわかります。

 

一般的には卵子の数は私たちが生まれたときに決まっていて、年とともに減少します。女性の体はこの卵子がすべてなくなった時点で閉経します。

もともと持っている卵子の数やなくなる速度も個人差があり、20代でも40代くらいの卵巣年齢になることもあるそうです。

 

今までは、卵巣内で待機している卵胞(原始卵胞)が少なくなってくると、AMHの値が低くなりますと言われていましたが、最近の報告では、AMH値は「卵巣に残っている卵子の数」を直接反映しているわけではなく、その時使える卵子(供給されている卵子)の数発育卵胞数が反映すると言われています。たとえば、ピルの内服中ビタミンDが足りない場合などは一時的に低くなるとも言われています。

 

生活習慣を見直すことで原始卵胞数が増える訳ではありませんが、AMHは卵巣内の原始卵胞が発育する過程で分泌されるホルモンなので、AMH値が低いからといって原始卵胞が少ないとは限りません。AMH値の低い原因は2通りあって、
 

①本当に卵が少なくなっていて発育卵胞数が少ない
 
②卵子はあるのだけれども正常な発育のメカニズムが止まっているので発育卵胞数が少ない

 

上記のうち、②の場合は生活習慣を見直すことで妊娠できたとの報告があります。
 
実際にビタミンDが卵胞形成に深く関わっているということは基礎的な研究でわかっています。あるクリニックの不妊患者さんの87%がビタミンD欠乏だったそうです。ただ、卵胞発育の障害になっているのはビタミンD欠乏だけではなく、その他の栄養素も関与していると考えられます。このあたりのメカニズムは非常に複雑です。

 

ある生殖医療の栄養療法を積極的に取り入られている施設では、AMH低値の患者さんに食生活の改善やビタミンDをはじめビタミンB群を多く摂る(サプリメントも選択肢のひとつ)ことで発育卵胞数が増え、AMH値が上昇し、治療成績も向上したと報告されています。

 

ビタミンDはAMHと相関しているだけでなく、免疫に関わり着床障害や不育症にも影響していることがわかっています。

ビタミンDは食材からとり入れることもできますが、日光浴をすることで体内でつくられるビタミンです。しかし紫外線が気になり、日光に当たることを避けている女性が多いのも現状です。06a0a1ae3aa3323da54a7e99043607aa_s

 

ビタミンDの摂取目安は、成人女性で1日5.5μgです。毎日の食事でビタミンDを多く含む食材を意識して、卵巣年齢をアップさせましょう!

魚介類にはビタミンDが多く含まれています。特にあんこう肝にしんさんまサバカレイしらす干しイワシの丸干ちりめんじゃこウナギの蒲焼きくらげなどに豊富に含まれています。

 

次回は、葉酸についてお伝えします。

 

※このブログでは、子宮や卵巣、ご主人の精子にも原因がないにも関わらず、1年以上赤ちゃんが授からない方に、妊娠しやすいカラダ作りの生活習慣を身に付けていただけるよう、古くから受け継がれている東洋医学の考え方や最新の不妊治療の考え方を、わかりやすくお伝えしていきます。

 

 

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